特別展「青森県の近代文学・大正期」閉幕
―青森県近代文学の成立―

| 開会式テープカット(左から2人目鈴木館長、3人目千葉寿夫氏、4人目工藤英寿氏) |
10月4日(金)に開会式が行われ、弘前ペンクラブ顧問千葉寿夫氏、青森県近代文学館評議員工藤英寿氏、鈴木健二館長のテープカットでスタートした、特別展「青森県の近代文学・大正期」が11月10日(日)で終了しました。
今回の展示では、大正期を青森県近代文学の成立期ととらえ、中央文壇と県内文壇に分けて、それぞれに活躍した人々を取り上げ、図書、雑誌、自筆原稿、書簡、書幅、色紙など、約三百点に及ぶ資料を公開しました。中央文壇は、芥川龍之介と並んで大正期を代表する作家であった葛西善蔵をはじめ、佐藤紅緑、秋田雨雀、福士幸次郎の四人を中心に置いた展示とし、県内文壇は、質量ともに充実した大正期文学を知っていただくために、散文、詩、短歌、俳句、川柳と、ジャンル別の展示にしました。特に県内初の詩の結社パストラル社の発行した『パストラル詩集』や、これも県内初の川柳誌「みちのく」など、大正期の県内文壇の充実ぶりを示す資料は、来館者に大きな感銘を与えたようです。 また、石坂洋次郎や太宰治、今官一、北村小松など「昭和に入って活躍する人々の大正期」コーナーや、与謝野晶子や武者小路実篤など、県内文壇に大きな影響を与えた「青森県ゆかりの作家たち」のコーナーを設け、大正期の青森県近代文学を縦横に概観できるように展示したことも好評でした。
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| 展示会場 | 葛西善蔵コーナー |
【文学講座】
| 10月13日(日)と11月2日(土)の両日、特別展「青森県の近代文学・大正期」に因んだ文学講座が、青森県総合社会教育センターを会場に行われました。講師は10月13日が弘前学院大学教授の井上諭一氏と詩人の泉谷明氏、11月2日が青森県近代文学館評議員の工藤英寿氏と弘前ペンクラブ顧問の千葉寿夫氏が務めました。それぞれの先生方には、ご専門の立場から様々なテーマで、興味深く楽しい内容のご講話をしていただくことができました。 | ![]() |
| 文学講座(井上諭一弘前学院大学教授) |
特別展「青森県の近代文学・大正期」記念講演会
「青森県の多彩な大正文学―葛西善蔵を中心として―」
10月27日、特別展「青森県の近代文学・大正期」を記念して、弘前市出身のルポライター、鎌田慧氏の講演会が開催されました。今回の講演会は、青森県立図書館主催の「青森県読書推進大会」の講演会との共同開催ということで、大会参加者も含め、会場の青森県総合社会教育センターには、たくさんの観客が詰めかけました。
鎌田氏は平成六年に葛西善蔵の生涯を描出した『椎の若葉に光あれ』を講談社から刊行していますが、この講演では「青森県の多彩
な大正文学―葛西善蔵を中心として―」という演題で、葛西善蔵の文学を中心に大正期の文学を語っていただきました。内容は、ご自身の若い頃の葛西善蔵に対する思いや、『椎の若葉に光あれ』執筆に関するエピソード、大正文学史における善蔵の位置付けなど、様々な角度から善蔵文学の魅力に迫ったものです。お話の中には善蔵に関連して陸羯南や太宰治、さらには水上勉、柳美里まで登場し、まったく時間がたつのを忘れてしまうほどの、楽しい講演でした。
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| 鎌田慧氏 |