青森県近代文学館
The Museum of Modern Aomori Literature



第5回青森県近代文学館川柳大会

平成19年3月4日(日) 青森県立図書館四階集会室  参加者96名

主催・青森県近代文学館      


宿題「短い」 特別選者・吉田健治選


秀句  白鳥のくちばしほどのラブソング     野沢 省悟

    線香花火ぽとり死ぬこと生きること    内山 孤遊

    クリオネの豆電球が切れそうだ      神  千巌

特選  さよならの一行だけが書いてある     成田あかり

宿題「やわらかい」福田文音選


秀句  床ずれよ初めて父を撫でました      斎藤 早苗

    クレームは柔軟剤に漬けなさい      関埜艸太郎

    落ちているときの椿の鼻濁音       野沢 省悟

特選  病院のスリッパに降る春の雪       佐藤とも子

宿題「やわらかい」内山孤遊選

秀句  こんにゃくになって一日暮れました    福士ゆきえ

    三月の家族写真は風の色         角田 古錐

    私だけでした芯まで煮えたのは      斎藤あまね

特選  たんぽぽの綿毛 ゆるしてあげましょう  工藤 青夏

宿題「深い」滋野さち選

秀句  水掻きが欲しい戦後の溝である      千島 鉄男

    母の呪文意外と深い傷に効く       福士 慕情

    ポットンと音がしないと恐くなる     赤平久美子

特選  まなざしの深い子ばかり先に逝く     土田 雅子

宿題「深い」田鎖晴天選

秀句  コンビニの床は海底かも知れぬ      野沢 省悟

    月はおぼろカルテの底が抜けていた    千島 鉄男

    踏み出すか逸れるか先は同じ闇      山本 弘志

特選  足つかぬ泳ぐしかない今はただ      濱山 哲也

宿題「広い」木村花江選

秀句  日曜日ぼくの紙面を広く読む       相馬 銀波

    どん底に見合う男に海がある       髙橋けん一

    雪野割る女の野火がひた走る       櫛引八千代

特選  産み月を待ついちめんの蕎麦の花     千島 鉄男


宿題「広い」髙橋けん一選


秀句  ロボットのてのひらにある厭な世だ    千島 鉄男

    野放しのままで宇宙に出てしまう     櫛引八千代

    だだっ広い画布だ赤子のほっぺただ    斎藤あまね

特選  洗面器の広さをふいに持て余す      北野 岸柳

席題「叫ぶ」髙瀬霜石選

秀句  赤ちゃんへママは戦争してるのよ     村井 規子

    土星の輪は叫ぶいじめありますと     鳴海 賢治

    セロファンを脱いで叫んでみろよ 僕   内山 孤遊

特選  誰の名を叫び私は死ぬのだろう      髙橋 星湖

席題「叫ぶ」Sin選

秀句  分度器で計る私の叫び声         堤  文月

    非常口閉ざしていったのはおとこ     須藤蛙痴郎

    赤ちゃんへママは戦争してるのよ     村井 規子

特選  目も口も叫べるように描きあげる     福田 文音