弘前市出身の民俗学者・詩人である齋藤吉彦は、平成16年で生誕百年を迎えました。
慶應義塾大学では成績優秀をもってフランス政府から賞牌(メダル)を贈られ、民俗学を柳田国男に学んで将来を嘱望された吉彦は、その才能を惜しまれながら、26才で世を去りました。
注目の作家2   齋藤 吉彦
齋藤吉彦
1904(明治37)年〜1930(昭和5)年

民俗学者、詩人。弘前市に生まれる。慶應義塾大学文学部仏文科卒業の際、成績優秀をもってフランス政府から賞牌が贈られ、そのまま文学部の助手に。慶大教授・西脇順三郎のもとで学び、詩人・福士幸次郎、一戸謙三らとも交流、詩、訳詩、評論などを発表した。我が国民俗学の開花期、柳田国男、折口信夫らの影響のもとに研究に志し将来を嘱望されたが、豊かな才能を発揮する間もなく惜しくも肺患に倒れ、26歳の若さで早世した。弘前大学に寄贈された吉彦の蔵書「探珠山房文庫」は、大正3年、森鴎外が父が経営する斎吉旅館に宿泊した時に書いた「探珠九淵」(珠を九淵に探る)の書に由来する。

 プロフィール
 資料紹介
フランス政府から贈られた賞牌

吉彦は、昭和2年3月に慶應義塾大学を卒業、その際、学業優秀をもってフランス政府からメダルを贈られ、すぐに慶應義塾文学部助手となった。この時の卒業論文は「ラ・フォンテエヌの狐」と題するものであった。当時の弘前新聞に「慶大文科卒業の本市斎藤吉彦氏の名誉、慶大卒業式に仏語の成績優秀で仏国外務省の賞牌を授与さる」という見出しに写真つきで記事が掲載された(メダルの肖像画はジャンヌダルク)。この年の9月に大学予科講師兼任となってフランス語を担当、フランス留学が約束されていた。


 
「生誕百年・夭折の詩人 齋藤吉彦」

 文学館企画展示室において、齋藤吉彦の資料を展示します。 
   ・期間      2月25日(金)〜3月27日(日) (3月24日(木)は休館)

   ・会 場     青森県近代文学館(企画展示室)
   ・開館時間   午前9時〜午後5時
   ・展示資料   遺稿集『那妣久祁牟里』・メモ帖「上磯風聞志」
            フランス政府から贈られた賞牌 
            色紙(吉彦の命日に石坂洋次郎らが記した寄せ書き)
            蔵書(仏語自筆メモ入り・ 弘前大学附属図書館蔵)ほか