ミステリーの魔術師−まじゅつし−
高木彬光没後10年特別展


■「ミステリーの魔術師―高木彬光没後10年特別展」
 
青森市出身で、戦後の日本を代表する推理作家・高木彬光の没後10年を記念した「ミステリーの魔術師―高木彬光没後10年特別展」が、平成17年7月15日(金)から8月28日(日)まで開催されました。
開会式
展示室内開会式
左から佐藤良治県立図書館長、高木ムツ氏(彬光夫人)、高木晶子氏(彬光長女)、高木保氏(彬光従兄弟)

 開会式では、県内外からかけつけた親族の方々が見守る中、高木彬光の長女・晶子氏が挨拶、妻のムツ氏、従兄弟(いとこ)の高木保氏、青森県立図書館長佐藤良治によるテープカットが行われ開会を祝いました。 
 この特別展では、彬光が戦後の物資不足の中で藁半紙に一気呵成に書きあげた「刺青殺人事件」の原稿をはじめ、470点を超える資料を展示。〈天才〉神津恭介など6人の名探偵を創り出し、謎解きを主とする本格推理を柱としながら、歴史推理『成吉思汗の秘密』、経済推理『人蟻』、法廷推理『破戒裁判』など各分野の嚆矢となった作品を次々と発表、戦後の日本を代表する推理作家となった彬光の生涯と業績を概観しました。  
 その他、時代・伝奇・歴史小説、占い関係・エッセイ、映画化された作品、江戸川乱歩・横溝正史ら推理文壇を彩る作家たちの原稿・書簡・写真なども展示。海渡英祐や赤羽堯など本県ゆかりのミステリー作家のコーナーも設け、彬光の多彩な執筆活動や交友関係、本県のミステリーなども紹介する展示となりました。 
 展示終了後、高木家から78点の資料が当館に寄贈され、藁半紙に書かれた「刺青殺人事件」の原稿が寄託されることになりました。



展示室の様子

             
                                                
トーク&上映会

  7月31日(日)、「ミステリーの魔術師―高木彬光没後10年特別展」開催を記念して、「トーク&上映会」が青森県総合社会教育センターで開かれました。第1部は、推理小説研究家の山前譲氏と出版芸術社社長の原田裕氏によるトーク。「刺青殺人事件」(昭和23年)で彬光がデビューした当時講談社に勤務し、原稿依頼を機に彬光と最晩年まで親交を結んだ原田氏と高木彬光の作品に造詣の深い山前氏が、戦後の日本推理小説界の動向を振り返りつつ高木彬光の素顔を浮かび上がらせました。
第2部では、映画「白昼の死角」(昭和54年・東映)を上映。法律の盲点を突き完全犯罪を次々敢行する悪党を描いた高木彬光の代表作を映画化した作品です。  

対談:左 山前 譲氏、右 原田 裕氏


文学講座
 
◎7月24日(日)
@「高木家のルーツ」    講師・高木保(五拾壹番館ギャラリー代表)
    九州秋月藩の御典医にはじまり現在に至る高木家の系譜を解説。

A「高木彬光の思い出」
講師・五戸雅彰(弁護士)
    高木彬光の生涯と作品にかかわる数々のエピソードを紹介。
講演する五戸氏

◎8月21日(日)

B「高木彬光を視野に、青森が舞台のミステリー」 講師・星野富一郎(青森県近代文学館文学資料調査員)
    〈歴史・伝説ミステリー〉〈トラベル・旅情ミステリー〉など、青森県が舞台になったミステリーの作品群を分野
    別に解説。 

C「赤羽堯を中心に」  講師・藤 寿々夢(弘前文学学校校長)
    高木彬光作品の書き出しの特徴を考察し、弘前市出身のミステリー作家・赤羽堯の来歴を紹介。