特別展「今官一展」好評のうちに閉幕
―知的で詩情あふれる文学―
開会式テープカット 展示会場
| 平成十五年七月二十五日(金)に開会式がおこなわれ、わざわざ千葉県から駆けつけてくださった今官一夫人の公恵さん、工藤英寿青森県近代文学館評議委員、それに金子睦男青森県立図書館副館長によるテープカットでスタートした、特別展「今官一展」が、九月七日、好評のうちに終了いたしました。 この特別展は、青森県出身の直木賞作家、今官一の没後二十年を記念して開催されたもので、約二百五十点の資料を展示しました。主な展示品は、今官一が東奥義塾時代に詩人・福士幸次郎の指導で仲間と作った同人誌「わらはど」、井上靖らと発行した同人誌「文学ABC」、太宰治、壇一雄らと創刊させた「青い花」などの創刊号をはじめ、「壁の花」で受賞した第三十五回直木賞の正賞の腕時計、パイプや眼鏡、コーヒーカップなどの愛用品、自筆原稿や書簡、初版本など、どれも貴重な資料ばかりでした。 開会式には、今官一の出身地である弘前市から、県立弘前中央高等学校文芸部の生徒が多数出席してくれたこともあり、テープカット後の挨拶の中で公恵さんは、「今官一はこんなにも地元の人々に愛されて、なんと幸せな人でしょう」と、感激のご様子でした。公恵さんは会場に入ってからも、高校生らと一緒に熱心に展示を見学し、一つ一つの質問にも丁寧に答えておられました。 会期中に来館した年配の人の中には、今官一の海軍時代のノートやメモなどを展示したコーナーの前で足を止め、じっと見入っている姿もありました。また、会場内の壁に掲げられた二十枚におよぶ色紙も、それぞれにカラフルな自筆の絵が描かれてあり、見学者の興味を誘ったようです。 |
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| 弘前中央高校文芸部の生徒たち | 会場に展示された今官一の色紙 |
【文学講座】 特別展「今官一展」に関連して、八月三日(日)と九月七日(日)の両日、青森県総合社会教育センターで文学講座が開かれました。講師は八月三日が青森県近代文学館評議委員の工藤英寿氏、弘前ペンクラブ顧問の千葉寿夫氏、九月七日が七戸町文化財審議委員の安田保民氏と詩人で前弘前市立郷土文学館専門員の山田尚氏でした。それぞれの先生方には、今官一の人と文学について、思い出もまじえながら楽しくお話をしていただき、まことに有意義な文学講座となりました。 |
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| 安田保民氏 |
特別展・今官一展記念「文学フォーラム」開催
今官一の人と文学の魅力に迫る
| 八月十六日、特別展「今官一展」を記念して、弘前文化センターを会場に、「文学フォーラム」が開催されました。基調講演、ビデオ上映、シンポジウムの三部構成によるフォーラムは、会場に集まった多くの観客に、時間を忘れさせてしまうほどの楽しさと、深い感動を与えてくれました。 増田由美子さんの司会によって、プログラムはまず今官一夫人の今公恵さんによる基調講演から始まりました。演題は「今官一を語る」です。公恵夫人は「生い立ちと教育環境」「文学活動」「今官一の思い出」と、講演内容を三つに分けてお話しくださいました。夫人でなければ語れないエピソードもふんだんに盛り込み、あらためて今官一の人と文学の魅力を確認することができました。 プログラムの第二部はビデオ上映です。上映したビデオは今官一の生涯を十五分ほどにまとめたもので、青森県近代文学館が制作したものです。 プログラムの最後はシンポジウムでした。コーディネーターを青森県近代文学館評議委員の工藤英寿氏がつとめ、今公恵さんと、詩人で前弘前市立郷土文学館専門員の山田尚氏、同じく詩人で弘前ペンクラブ理事の葛西美枝子さんの三人がパネリストをつとめました。生前の今官一を知る四人によるシンポジウムは予定時間を超えるほどで、最後まで聴衆の心をとらえて離さない、楽しい内容でした。 |
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| 基調講演をする今公恵さん |