青森県近代文学館
The Museum of Modern Aomori Literature



平成18年度 調査員報告

佐藤幸子 調査報告

調査対象村元督 むらもと ただし
プロフィル 劇作家・小説家・舞台演出家。高校演劇指導のかたわら、1983年、むつ市に「劇団未来半島」を創設し、劇作と小説を軸に文化活動をおこなった。
生没年1951(昭和26)年-
主な作品戯曲「素敵に小夜曲」「海と薔薇」「見残しの夢」「光降りきて」小説「風に立つ人よ」戯曲「下北半島物語」
青森との関わり故郷・下北の紹介と文化発揚を軸に、劇作、小説、ラジオドラマ、作詞などで旺盛な創作活動をした。
作家解説  劇作家・小説家・放送ドラマ作家・舞台演出家。1951(昭和26)年2月2日、小学長の父・肇と音楽家の母、芙美子の長男として、むつ市山田町に生まれる。高校の教諭や管理職などをつとめながら、地域文化創造を目的に、演劇、小説、ラジオドラマ、作詞、とくにハンディキャップを持つ人たちのミュージカル制作など多くの分野にわたって旺盛な創作活動を展開した。国学院大学文学部時代は王朝文学研究の傍ら、学生劇団の運営およびミュージカル俳優や声優などを体験し、1973年、大学を卒業、高校教師となってからは、長く「高校演劇」の指導にあたる。コンクール形式で全国大会への道があるこの演劇部ではまずは県大会進出、続いては東北大会へと進むことが目標であった。高校生にとって身近で切実な問題や人間の永遠のテーマである生きることとはなにかという材料に直接に向かい合いながら脚本の創作に没頭した。その結果、1976年「愛と哀しみの夜に」(八東高)、2000年「風に立つ人よ」 (田名部高)2001年「海の盆唄」(田名部高)と東北大会には3度出場している。創作脚本は50作、高校演劇の他、みずから命名し、創設した市民劇団「未来半島」や岡山県の劇団「こすもす」に長時間の舞台劇を書き下ろすなどした。また「RAB青森放送」の依頼で連続ラジオ劇「下北半島物語」を2年間、東奥日報新聞社の依頼で長編時代小説「風に立つ人よ」を1年間連載した。また地域文化と教育の向上を目指して、小・中学校への演劇公演、町興し活動、講演活動などを行い、多くの人々と活動を共にした。創作は「心に灯をともす作品」を原点とし、様々な問題を抱えて生きる人々をリリカルに描くなど「演劇」と「教育」の効果的な融合を目指した。作風は多彩かつ骨太で多くのジャンルの舞台劇や放送劇を執筆した。1980年戯曲集『光降りきて』(女性のみで演ずる)1988年『村元督脚本集』(門土社総合出版)がある。
関連資料『村元督脚本集』

書籍(戯曲)、1988(昭和63)年9月26日発行、195o×135o

著者37歳の時の刊行で、主として初期の作品をまとめた脚本集である。高校演劇で東北大会に進んだ時代劇「愛と哀しみの夜に」のほか、自立劇団のための「花の音」などを所収。極限状態の人間の業や希望、魂の美しさを描いている。