青森県近代文学館
The Museum of Modern Aomori Literature



平成18年度 調査員報告

千田節生 調査報告

調査対象稲垣道 いながき みち
プロフィル歌人。昭和23年の16歳から作歌。その年に「国原」に入会、稲垣浩に師事し現在主宰。昭和30年に「まひる野」に入会し、窪田章一郎に師事し現在有力な同人として活躍。平成元年10月から現在もNHK八戸文化センター講師として「短歌入門」「万葉集」等の指導をしており、「航跡」19号まで発行、また八戸市鴎盟大学講師を昭和54年より現在まで28年間している。
生没年1931(昭和6)年10月5日-
主な作品『冬の園』『母の紋章』『花の流離』『かたかごの花』『光の渚』
青森との関わり 八戸市生まれ。稲垣浩亡きあと「国原」を主宰。八戸学生短歌協会初代会長、日本歌人クラブ県委員を務める。現在、県歌人懇話会副会長。
作家解説  昭和23年の16歳の時に啄木にあこがれて歌を作り、デーリー歌壇に投稿し天位に入選。それをきっかけに各新聞歌壇に投稿しはじめる。その年の冬、八戸市の歌誌「国原」に入会し稲垣浩に師事。30年から中央歌誌「まひる野」同人となり、窪田章一郎に師事。稲垣浩の逝去を受けて53年5月より「国原」を主宰。その後「国原」は57年に青森県芸術文化報奨、平成15年に青森県文化賞、平成18年には青森県褒賞を受賞し、現在に至るまで発行が継続されている。
  若い詠み手を育成するため昭和54年に八戸学生短歌協会を結成、初代会長となる。平成元年には「東奥日報」「デーリー東北」の歌壇選者を務め、その後、東北短歌大会、青森県短歌大会、北奥羽短歌大会等の選者を歴任、平成13年から青森県歌人懇話会副会長を務め在任中である。著作として『冬の園』(昭48)、日本現代歌人叢書第28集『稲垣道歌集―母の紋章―』(昭60)、『花の流離』(平3)、『かたかごの花』(平8)、『光の渚』(平12)の5歌集、また入門書『歌へのいざない』(昭60)、歌文集『千人針のうた』(昭62)、随想集『女のメルヘン』(平2)がある。青森県の短歌の発展に果たした功績は大きく、これまで数々の文化賞を受賞、2基の歌碑が建立されている。
  受賞歴…北奥羽短歌大会八戸市長賞(昭36)、国原賞(昭44)、青森県準短歌賞(昭52)、八戸市文化奨励賞(昭60)、青森県歌人賞(平4)、青森県歌人功労賞(平7)、八戸市文化賞(平8)、青森県芸術文化報奨(平11)、八戸市文化功労賞(平15)、青森県歌人懇話会創立50周年記念式典記念表彰(平16)
  歌碑の歌…みちのくの水芭蕉めでのぼり来し丘にひそかにキリストの墓                
(平成8年6月、三戸郡新郷村キリスト公園に建立)
            観覧車まわるよまわれ春の日にはるかの海は未知のかがやき
(平成10年10月、八戸公園子どもの国に建立)
関連資料『花の流離』

図書、1991(平成3)年1月1日、190o×135o

主に昭和57年以降の作品を集めて編まれた第3歌集。狭庭の花あかり(昭和57年−昭和63年)、回想の鎮魂花(昭和27年−昭和57年)長歌5首、花有情(平成元年−平成2年)の三部から成る。この歌集によって稲垣道は第28回青森県歌人賞を受賞した。